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ラムネの中の大きな夢
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子供の頃、ラムネの透きとおった瓶に、カランと音をたてて入っているあの青いビー玉をよく欲しがって泣いていたっけ。ただただ、カランカランと音を鳴らしてうらめしそうに眺めているだけだった。あの瓶は飲んだら返さなきゃいけないっていう、暗黙の決まりみたいなものがあって、決して手の届かない宝物のような気がしていた。実はそれを手に入れることはとても簡単なことで、ガラスをわって取り出せばそれで済むこと。でもそんなことしたらパパやママに叱られるんじゃないかって、お店のオジサンにものすごーく怒られるんじゃないかって、そう思っていつも眺めているだけだった。

けど、今は違う。少し大人になって、自分の目の前にある、見えない壁は自分の手で打ち破らなきゃいけないって事を知った。そうすれば自分の欲しいモノが手に入るって事もわかった。決してわることの出来なかったガラスの壁を打ち破る勇気を持つことが出来た。

でも、もちろん、砕けて散らばったガラスの破片はちゃんと片付けるよ。
だって、人を傷付けたくはないもの。勇気と一緒に、人を思いやる気持ちも覚えたから。

 

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