*******

青  春
*******

 なんとなくって感じあるよね。ここがこうだからとか、あそこがああだからとか、そんなものはなくて、ただ胸の奥のほうがすっごく苦しくなってしまうこと。

「心臓が痛い」ってことがある。そうだなぁ、昔からよくある言葉で言えば、「胸がキュンとなる」なのかな?だけど、それよりももっと苦しくなった時、心臓が痛いって感じなんだ。「キュン」どころじゃないんだよね、この痛みは。

誰にだって経験はあるはず。それが、恋愛だったり、大切な夢だったりって、人によって全く違うけど、根本的にはきっと同じだと思う。

例えば好きな人がいるとするよね、でもまだ片思い。「どこが好きなの」って人に聞かれて何て答える?もちろん「顔がイイ」とか、「あの人はとっても優しいの」とか、いろいろ答えはあると思う。だけど、それだけじゃ言い表せない何かもっと大切な何かがある気がする。言葉じゃ伝えられない、とっても熱いもの。

好きな人に気持ちが伝わらなくて、伝わっているはずなのに相手からは返ってこなくて、恋人同士なのにどこかギクシャクしていたり。自分の心の中だけでいろいろ想像してみる。こうゆう時って切なくて、苦しくてどうしようもないけど、どこかで楽しんでいたり。

夢を追いかけている時もきっと同じなんだと思う。苦しいことにぶつかっても、一生懸命頑張って少しでも夢に近づこうとしている時って辛いけど楽しいよね。

「自分の夢、一生懸命追いかけてる時あるやろ。それって誰かに恋している時と同じだと思うんや。どんな時でもその時の真剣な気持ち、決して忘れたらあかんで」

ラジオ番組で、パーソナリティーをしている友達が、そんなことを言っていた。確か「夢」をテーマにしてトークをしている時だった。彼の言葉に思わずうなづいてしまった人は、決して少なくないはず。きっと、この言葉を心の中の印画紙に焼き付けて大切にしまっておくはず。もちろん、私も。

そして何年かして、本当に好きな人と思いが通じ合った時、叶えたかった夢にたどり着いた時、そっと心の引き出しを開けて、一枚の写真を取り出す。

人それぞれ、取り出すまでの年月によって、それがセピア色に変わっていたり、ボロボロになって今にも破れそうだったりするかもしれない。でも、そうやっていろんなカタチの夢と、いろんな色の恋に対する真剣な気持ちがアルバムに収められていって、ひとつの物語を作りあげていく。そうやって出来上がったものを、いつしか大人になった時「青春」て呼ぶのかもしれないね。

 

へもどる
エッセイのトップへもどる