「交信」

 

懐かしい声が聞こえた。

それは紛れもなくあの人の声。

耳鳴りの奥でかすかに響いたあの人の声。

決して言葉を交わすことは出来ず、

ただ声のする世界へ佇むだけ。

 

4次元の世界へ吸い込まれるように、

その耳鳴りは次第に大きく私の体全体を包み込む。

その優しさに包まれた時、

私は少し安心した表情になるのか、

いつのまにか鳴り響いていた耳鳴りは

音を静め去ってゆく。

また、あの世界へと帰っていくように。

 

 

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